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2018 ウインブルドン F決勝 ジョコビッチ 対 アンダーソン  ジョコビッチ復活の優勝

 7月15日、日本時間22時から行われるウインブルドン決勝は、両者壮絶な勝ち上がりを見せた両選手となりました。

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アンダーソンの勝ち上がり

 アンダーソンはかなりのタフドローをこなしてきました。

 2回戦グラスでサーブが冴えるセッピにやや押された時間がありながら物にし、4回戦ではモンフィスとの壮絶な打ち合いを制しました。

 そして何といってもQF準々決勝は今大会の大本命のフェデラーにマッチポイントを握られながらも2セットダウンからサドンデスで逆転勝利を収めました。

 更には準決勝イズナーとの対戦ではフルセットのサドンデス突入、サドンデスに入ってからは常にイズナーから有利な状況を得るも中々物に出来ず、結局はファイナルセットは26-24セットの大熱戦の末に勝利しました。

 

ジョコビッチの勝ち上がり

 ジョコビッチは序盤戦を凌ぎ、3回戦のエドマンド戦は、今年のマドリードで敗れているのかやや神経質になってしまう一面を見せるも、次々に深いストロークを叩き込み勝利します。

 QF準々決勝の錦織戦は第2セットでやや調子を落としてセットを取られるものの、3セット目からは集中力を保ちそのまま勝利しました。

 そしてSF準決勝、下馬評でもナダル有利と言われた中、想像を大きく上回る強度と粘りのあるテニスでナダルと真っ向勝負を挑み、2日間かけて行われた試合は、こちらもファイナルセットのサドンデスにもつれ込み、最後は終始ナダルを追い詰めたジョコビッチが勝利しました。

 

共に壮絶なSF準決勝を勝ち抜く

 共にハードなSFを勝ち抜いた両者ですが、3日連続で試合となるジョコビッチの体力が気になります。

 しかしながらアンダーソンも6時間超の試合をしています。体力面では両選手不安を抱えてのスタートとなってしまいそうです。

過去の対戦成績は5勝1敗でジョコビッチが上回る

 過去の対戦では5勝1敗で上回っています。そしてウインブルドンでも2015年に対決しており、この時はフルセットでジョコビッチが勝利しています。

 とは言え、当時全盛期だったジョコビッチを相手にフルセットの戦いを演じた事からもグラスコートとの相性の良さが伺えます。

 ジョコビッチの調子は大分戻り、特にナダル戦では大きく落ち込む時間が全くなく高い強度のプレイを5時間も続けていました。その強度をもってしてようやく倒せるのがビック4同士の戦いたる所以を見せつけました。

 

 この試合は両者の体力回復がどのようになるかにも影響します。

 アンダーソン側からすればサーブをとにかく入れてショートポイントで試合を進めたい所です。

 ジョコビッチの方は逆にサーブをしっかりリターンしてからのストロークで勝負したい所ですが、ジョコビッチに関していえば様々な戦術に対応できる分、劣勢になっても立て直しがきく事が予想されます。

 とは言え、ここ1年で顔を出す不安定さが出ないとも限りません。

試合展開

 試合は予定通りの時間に選手入場が行われ、22時10分当りに開始されます。

1stセット

 第1ゲーム、アンダーソンのサービス。いきなり長りラリーからスタートするも、1stサーブが入らないアンダーソン、更にはリターンでミスが目立ちブレークポイントを握られると、あっさりとブレークを許す展開に。

 第2ゲーム、ジョコビッチはラリーになるとそこまで強くないリターンでもアンダーソンがミスを連発してくれるため、余裕のキープとなる。

 この時点で観客は両者の出来を察してアンダーソン寄りの応援となる。

 第3ゲーム、メンタル的にいきなり窮地に立たされたアンダーソンですが、ここは声を出し鼓舞し、ラブゲームキープする。

 第4ゲーム、これに対してジョコビッチは淡々と声も出さずに楽にキープする。

 第5ゲーム、アンダーソンが渾身のリターンを見せてもジョコビッチが全てリターンすると先にアンダーソンがミスをする展開となり2ブレークポイントを掴むと、アンダーソンの深いリターンもしっかりリターンし、前に出てきたアンダーソンのボディーへのリターンでネットに掛けさせ、貫禄の2ブレークアップとなる。

 アンダーソンはタオルを顔に当てて考え込む。その仕草はローランギャロスで見せたナダル対ワウリンカでのワウリンカの苦悶と被る情景。

 第6ゲーム、アンダーソンがリターンしてもジョコビッチは左右に深いショット、更にはリターンが浮くと前に出てのボレーと隙のない攻めで余裕のラブゲームキープを見せる。

 第7ゲーム、アンダーソンの渾身のサーブにもコーナーに深々とリターンを連発するジョコビッチ。それでもサーブで押しこのゲームはキープする。

 第8ゲーム、ジョコビッチのサービンフォーザセット。ジョコビッチは無理のないプレイで推移すると、アンダーソンがリターンをミスする展開はかわらず、あっけなくゲームカウント6-2でジョコビッチがセットアップする。

 ここでアンダーソンは右肘の当りをトレーナーに治療する事となる。

 メンタル面や体力面を考えても既にアンダーソンには後がありません。ジョコビッチは明らかにセーブしたプレイをしており実際ジョコビッチにはまるでプレッシャーの掛る場面がありませんでした。ジョコビッチに強度を強いたり、あるいは精神を揺さぶる攻めをしていかない限りはこのまま試合終了となるでしょう。

 

2ndセット

  第1ゲーム、アンダーソンのサービス。ジョコビッチはセンターへ丁寧にリターンするとアンダーソンが力んでエラーを連発。自分を鼓舞するカモンの声を連発するも、ジョコビッチはミスをしない。ジョコビッチが2つのブレークポイントを掴むと、ジョコビッチのラインに掛る深々としたリターンを制御できず、早くも試合を決定付けるブレークを奪う。

 第2ゲーム、アンダーソンのカモンの声も悲壮感が漂うこのゲーム、ジョコビッチがポイントを取っても全く静かな会場、ジョコビッチはそんなアンダーソンの精神を揺さぶるように長いルーティンからのワイドサーブでアンダーソンがリターンを全てアウトにさせてのキープで試合を支配する。

 第3ゲーム、アンダーソンのサービスエースで観客が沸きあがる。しかしリターンで悉くショットがミスしデュースに。更にはラリー中にアンダーソンがボールを落としてポイントやり直しになる一幕も。ここで長いラリーでこの試合初めてのポイントを取ると、厳しいラリーからネットに出てポイントを取り、必死のキープで会場が盛り上がる。

 第4ゲーム、長いラリーでアンダーソンがポイントを取るようになると、今度はジョコビッチがサーブ強度を強めてアンダーソンに満足にリターンを許さないなど自在に試合をコントロールするジョコビッチがキープする。

 第5ゲーム、ストロークが良くなってきたかに見えたアンダーソンだが、その直後にミスを連発、更にはダブルフォルトで2つのブレークポイントを握ると、アンダーソンのリターンが大きくアウトし、ジョコビッチが鋭い眼光でにらみつける2ブレークアップを見せる。

 第6ゲーム、ジョコビッチはスライスとフラットのリターンでアンダーソンの打点を狂わせるショットをうつも、アンダーソンも素晴らしいリターンを連発しデュースに。しかしジョコビッチは先にミスらずにこのゲームもキープする。

 第8ゲーム、ジョコビッチのサービンフォーザセット。アンダーソンがミスショットを連発してリード、しかし粘りのリターン、更には逆を付くショットで30-30に持っていく。更にはワイドサーブへ鋭いアングルリターンでジョコビッチを崩し、この試合初めてのブレークポイントがアンダーソンに来る。ここで互いに深いリターンでアンダーソンのリターンが僅かにアウトしデュースに。このゲーム長いルーティンのジョコビッチは鋭いバックハンドリターンで振りぬくと、最後はワイドサーブでこのセットも6-2でジョコビッチの2セットアップとなる。

 1stセットに比べてアンダーソンもラリーが出来るようになってきたものの、ジョコビッチはその都度プレイスタイルを替えて対応し、ブレークを許さずに盤石の態勢で進んでいます。

3rdセット

 第1ゲーム、アンダーソンのサービス。やや吹っ切れた形のアンダーソンはなんとか踏みとどまりキープする。

 ここから互いのキープが続く

 第8ゲーム、ジョコビッチのサービス。アンダーソンが粘りのリターンでライン際に決めブレークポイントを握るも、ジョコビッチはサーブで押しこれを凌ぐ。ジョコビッチは大きく雄叫びを上げる。

 第9ゲーム、ブレークポイントを逃したアンダーソン、ポイントを先行させ、更に2ndサーブでセンターへのサービスエースを決める。更にはジョコビッチのリターンを切り替えしキープを見せる。

 第10ゲーム、ジョコビッチがダブルフォルトを犯す、更には前に出るアンダーソンが30-30とする。更にはダブルフォルトでアンダーソンにこの試合初のセットポイントが来る。ここはジョコビッチがアウトスレスレの深いリターンでアンダーソンを崩しデュースに。更にジョコビッチがこのゲーム3度目のダブルフォルトでアンダーソンに2度目のセットポイント。しかしここでも深い切り返しのリターンで凌ぐ。ここで完璧な組み立てからフォア逆クロスをアウトするアンダーソン。アンダーソンはこのポイントのチャレンジでこのセットのチャレンジの権利を失うと、ジョコビッチがセンターへのサービスでこのセットをキープし、雄叫びを上げる。

 第11ゲーム、注意が必要なこのゲーム、1stポイントはサービスエースが決まる。ここからサーブが冴えるアンダーソンがラブゲームキープする。

 第12ゲーム、動きではややアンダーソンにキレがある時間が続いているこのセット。1stポイントはアンダーソンは攻めのリターンでポイントを取る。ジョコビッチは1stサーブが入らなくなってきている。更には前に出たジョコビッチの横を抜くショットで0-30と観客をおおいに沸かせる。ここでセンターサーブを決めるジョコビッチ。更にはジョコビッチのライン際のリターンが僅かにはずれ、アンダーソンに3度目のセットポイントが来る。ここはワイドサーブで1つ凌ぐ。更にはセンターからコーナーへのリターンでアンダーソンが追いつけずデュースに。アンダーソンが強烈なリターンで5度目のセットポイント。しかしセンターへのリターンがアウトでこれも凌ぐ。対角に振ったリターンでジョコビッチがアドバンテージ。しかしアンダーソンのリターンがライン深々と返り譲らない。前に来たアンダーソンを抜くジョコビッチ。最後はセンターへのサービスエースで壮絶な12ゲームを終えたこのセットはタイブレークに。

 タイブレーク 左アンダーソン 右ジョコビッチ

 1-0 アンダーソンがフォア逆クロスを華麗に決める

 1-1 アンダーソンを対角に振るショットを決める

 1-2 アンダーソンのクロスリターンがアウト

 1-3 アンダーソンの右を抜くショット。ミニブレーク

 1-4 ジョコビッチの執念のリターンで2ミニブレーク

 1-5 ジョコビッチがサーブでアンダーソンを崩す

 2-5 ジョコビッチのアングルリターンがサイドアウト、1ミニブレバック

 2-6 クロスラリーからのアンダーソンのリターンがネットにかかり、ジョコビッチに4つのチャンピオンシップポイント

 3-6 アンダーソンがグランドスマッシュを決める

 FIN ジョコビッチのセンターへのサービスをアンダーソンがネットに掛け、この瞬間ジョコビッチはコートにしゃがみ込みじっくりと喜びをかみしめる。更には悪手後にお馴染みのラブ&ピースパフォーマンス、更には陣営に向けて大きなガッツポーズを見せる。

 

スタッツ

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 第3セットはアンダーソンも持ち直しただけに、あのプレイが第1セットからできていればという感じに思った人も多いでしょう。

 しかし、それも含めて最後までジョコビッチの手の中にあったという試合とも言えます。去年からのジョコビッチであればあそこでエラーが連発して自滅も考えられましたが、今大会のジョコビッチはそこで連続してエラーをしてもしっかり立て直していました。厳しい時はキツイコースにサーブを決めていましたし、ナダル戦でもそれは顕著でした。実際アンダーソンに第3セットだけで5度のセットポイントを握られながらもそれをサーブや強烈なリターンで凌ぎました。この勝負強さこそビック4たる所以であり、本人も大きな自信を手にした事でしょう。

 敗れたアンダーソンは、あのまま何も残らないまま無残に敗れる事なく第3セット盛り返しましたが、この状態のジョコビッチに勝つには十分ではありませんでした。ジョコビッチの威圧もありサーブの調子がこれまでの試合に比べて良くなく、かつ220キロにも及ぶサーブも難なくジョコビッチがリターンするため、どんどん打つ手がなくなっていくのが分かる経過でした。第3セットのような開き直りに体がついていくのに時間はかかりましたが、見せ場を作ったという意味では全米よりも進歩したとも言えます。1年の間に2度もグランドスラムの決勝に立てた事により、今後もトッププレイヤーとしてツアーを引っ張る立場になりました。

 

ジョコビッチ「最高の気分です。僕の子供が僕の事を応援してくれていた。これは初めての経験なんです。これまでは会場にこれませんでしたが、このように近くで見てくれてる所で試合を見せられて幸せに思います。ケヴィンもおめでとう、QF、SFとても大変な試合を乗り切って決勝に来てくれました。私も大変でしたがよい決勝ができました。おめでとう。 そうだね・・。確かに今は言えるけど、とても大変だったよ。自分が進んでる道は正しいと信じてやるしかなかった。怪我もあったし、ツアーを長く離れていたし、どうやったら復帰できるかわからない時期すらありました。そして、、、復帰して、グランドスラムの舞台に立てて、そしてこうしてトロフィーを掲げる事が出来て幸せです。今年も芝の味を確かめてしまったよ(笑)。生涯を通してここで4回勝てたのは本当に素晴らしい事。世界中の人々に感謝してる。ここでプレイできてよかった。」

 

 そう話すジョコビッチに涙の姿は一切なく、ずっと笑顔が絶えないスピートとなりました。涙を流す程の苦労はあったはずですが、これからを見据えてるように見えます。

 

結果が自信を生む

 ジョコビッチの復活は難しいと考えていましたが、ウインブルドンの試合をやっていくうちにどんどんと調子が上がっていったように思います。そしてそれはナダル戦で完全なものになりました。ナダルがサスペンデットを狙って早い勝負を挑んで強烈なリターンを叩き込む中、これに真っ向から対応し、しかもほとんどミスなくスーパーショットを互いに連発するなど、歴史にも残る試合を披露しました。この1戦で確実にジョコビッチの中の何かが目覚めたのを感じました。

 エドマンド戦や錦織戦でもこれまでの試合よりは安定感はあったものの、まだ悪い時のジョコビッチも時折り顔を覗かせていました。それがいきなりミスを連発した第2セットのセットダウンに現れていました。しかし、そこであきらめずしっかりと深いリターンを勇気を持って打ち込んでいるうちに、それが自然とできるようになりました。それがナダル戦です。

 今後はこの大会の自信をどれほど確固たるものにするかに注目が集まる事でしょう。1大会でも早期敗退があるようですと、また自信を無くす危険性は去ってはいません。そういった事を含めて今後のジョコビッチにはますます注目が集まる所でしょう。

 

ファイナル出場を目指す錦織は、しかし・・

 そして、まだまだジョコビッチの壁に悩まされる事になるだろう錦織は、これから彼らと深いラウンドで当たるように、もっとランキングを上げる事が求められます。後半のハードシーズンは失効ポイントがシティーオープンのSFのポイントのみです。

 今年のファイナルはジョコビッチの優勝により、既にランキング8位で2900ポイント近くとなっています。これは昨年のジャックソックが滑り込みでファイナルに入ったポイントより既に300ポイント程高くなっています。まだ後半のハードシーズンが始まっていないにもかかわらずです。

 従って、今年のファイナルは4000ポイント当りの攻防になることが予想され、それを考えると錦織のツアーファイナル出場はかなり厳しく現実的ではありませんが、本人はあきらめておらず、その気概を今後のツアーでも見せてくれる事でしょう。

 

 次のツアーは7月下旬からのスタートとなります。

 

 

 

 

2018 ウインブルドン QF準決勝 錦織 対 ジョコビッチ 

 7月11日(水)、初のウインブルドンベスト8に進んだ錦織はこれまで幾度もの壁として立ちはだかったジョコビッチとの対戦を迎えます。

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ベスト8の顔ぶれ

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 多くのシードダウンが早々に起こったウインブルドン大会ですが、ベスト8にはノーシード選手は全て姿を消し、シード勢同士の対決となっています。

 グラスコートを得意とするビックサーバーのアンダーソン、ラオニッチ、イズナー、常に体調に気を配りながらも安定して上位進出できるようになったデルポトロ、若手気鋭選手に経験で押しのけたジョコビッチ、サーブを改善してきた錦織、万全の勝ち上がりを見せるフェデラーとナダルの両雄という構図です。

 

対ジョコビッチ 過去 2勝13敗

 

 錦織の対ジョコビッチは2勝13敗と大きく負け越しており、2014年の全米オープンでの勝利以降は12連敗となっています。今年序盤のジョコビッチが不調な時期でさえ錦織はジョコビッチを崩すには至っていません。

 

グラス初対決

 とは言え、グラスコートの試合ではこれが初の対決となります。コートの得意不得意があるとはいえ、双方ともどのコートでもプレイぶりはぶれないためさしたる影響はないでしょう。

 

ジョコビッチの勝ち上がり

 

 今年の序盤、インディアンウエールズやマイアミでは非常に不安定なパフォーマンスで早期敗退を繰り返していたジョコビッチですが、クレーコートで若干持ち直した様子を見せ、グラスコートでは前哨戦で準優勝し、このウインブルドンでもそれ程危なげない形で勝ち上がっています。

 対戦相手も若手の気鋭のエドマンドやハチャノフなどに押し込まれる時間帯がありながらもしっかり要所を締める試合を見せています。

 

錦織の勝機

 

 錦織はジョコビッチに12連敗していると言え、一方的に押されて負けたという試合はそれ程多くありません。ローマで対戦した時は1stセットはむしろ圧倒していました。しかし、その後は錦織が意識しすぎるのか徐々にミスを増やし始めるとそこからジョコビッチは水を得たかのように巻き返し、結局はジョコビッチが勝ってしまうという展開をよく見ます。

 良い展開で試合が進んでも、錦織の中ではジョコビッチはそれ程意識する相手という事です。結果的にこの連敗は実力の差というよりはメンタルの差と見る方が自然でしょう。

 今回はウインブルドンで初のベスト8で未知の世界に入っています。そういう部分からもっと上に行きたいという挑戦心を持って挑めばこの連敗のメンタルも薄れてくる事を期待したいです。

 

 プレイぶりに関して言えばサーブは確実に改善されており、苦しい時にサーブがどれだけ錦織を救ってくれるかにかかります。これまでの4回戦は苦しい時にサーブ助けてくれる場面が目立ち、これまでの錦織のテニスとは一線を画しています。

 ただし、サーブが決まらない時のストロークでの粘りが若干足りないとも感じます。グラスコートで跳ねないサーフィスという事もありますが、ストロークでリズムを作って来た選手だけにそこがどう影響するかは見てみたい所です。

 後は右肘の状態もまだ予断を許しません。安定したバックハンドとは裏腹に、力の入ったフォアショットはネットにかかる回数が多く安定しません。この部分を修正するためにもまずは肘の状態がどうなのかが注目されるでしょう。

 

21;00試合開始 フェデラーを差し置いて センターコート第1試合

 

 錦織対ジョコビッチは、本日のセンターコート第1試合に組まれ、特殊な状況が起らない限りは21時に開始となります。

 同時刻に組まれているシード1のフェデラーの試合がコート1に回されている事を見ても、この試合がピックアップゲームという全世界の共通認識がある事が伺えます。

 

試合経過

 

 

1stセット

 第1ゲーム、ジョコビッチのサービス。序盤から深いショットで錦織を攻めるジョコビッチが、最後はワイドのサービスエースを決めキープする。

 第2ゲーム、錦織のサービス。サービスのスピードを落とし確実にコートに入れる錦織に対してジョコビッチのリターンが簡単にアウトになり、錦織が楽にキープする。

 第3ゲーム、ジョコビッチが深いショットを決めるなどしラブゲームキープする。

 第4ゲーム、ドロップショットから大外に強烈なウイナーを沈めたジョコビッチが2つのブレークポイントを握る。更にはジョコビッチの変幻自在のラリーが錦織の手元でイレギュラーバウンドし、不運な形で錦織がブレークを奪われる。

  第5ゲーム、互いに素晴らしいリターンの打ち合いが見られる中、ジョコビッチのバックハンドクロスが僅かにサイドアウトし、錦織が2つのブレークポイントを握る。更にはダブルフォルトで錦織がブレークバックに成功する。

 第6ゲーム、40-30からバックハンドショットをライン際に沈め錦織がキープする。

 第7ゲーム、1stサーブが入らないジョコビッチだが、クロスとストレートを使い分け、比較的楽にキープする。

 第8ゲーム、錦織がリターンをネットに掛けブレークポイントを握られると、ジョコビッチがすくいあげたリターンをバックハンドでリターンするもこれが大きくサイドラインを割り、またもジョコビッチがブレーク先行する。錦織は思わずラケットを叩きつけたい素振りを見せる。

 第9ゲーム、ジョコビッチのサービンフォーザセット。ジョコビッチが深いリターンを連発、更にはスライスに逃げるショットを多用し2つのセットポイントを握る。ここはリターンエースなどでデュースに持ち込む。しかし、ジョコビッチの深い角度のリターンが深々と錦織の胸元を抉るとこのリターンがサイドアウトになり、ジョコビッチがセットを先行させます。

 錦織の調子はそれ程悪くはありませんが、バックハンド精度がいつもより悪く、頼みの武器がない状態で厳しいメンタルに追い込まれる可能性があります。

 

 

2ndセット

 第1ゲーム、錦織のサービス。ジョコビッチのリターンが大きなコードボールとなりデュースに。ここは長いデュースとなり、ジョコビッチが徐々にサイドに揺さ振るようになると、錦織がドロップショットをミスし、ジョコビッチにブレークポイントが来る。しかしここから粘りのストロークでジョコビッチの連続のアウトを誘い、辛うじてキープする。

 第2ゲーム、ジョコビッチがスマッシュを決めるなどしラブゲームキープし、厳しい状態が続く。

 第3ゲーム、ネット際の攻防をジョコビッチが制し、更には前に出た所をジョコビッチに対応され0-30に、更には錦織の救い上げたバックハンドクロスがアウトになり3つのブレークポイントを握られる。ここから粘る錦織は、センターへのサービスエースを決めデュースに。更にはセンターへのサービスでジョコビッチを崩し、このゲームも辛うじてキープする。

 第4ゲーム、軽くラケットをグランドにバウンドさせた事を主審に警告を取られた事にベンチで抗議するジョコビッチ。更には上空を飛ぶ飛行機の音にも過敏に反応し集中できない様子。そこを逃さない錦織は粘りのラリーでポイントを先行させる。更には執拗に逆を付くショットでジョコビッチのアウトを誘いブレークポイントを掴む。更にはジョコビッチがドロップショットをミスし、一気に流れを変えるブレークを錦織が取る。

 第5ゲーム、明らかに集中力を欠いてるジョコビッチに容赦ない錦織が攻めを繰り出し、最後は錦織のフォアクロスにジョコビッチはあきらめて歩いてしまうなどのシーンもあり、錦織がラブゲームキープする。

 第7ゲーム、錦織が前に出た所をジョコビッチがボディーにリターンすると錦織は思わず転倒してしまいデュースに。ここは錦織のワイドサーブにジョコビッチのリターンがネットに掛りキープする。

 第9ゲーム、錦織のサービンフォーザセット。1stポイントをネットに掛けるも、ドロップショットを決めるなどし2つのセットポイントを握る。最後はワイドサーブからのリターンをクロスショットで決め、ゲームカウント6-3と1セットオールとする。

 流れがやや錦織側に傾いている感じですが、ここからこれまで何度も逆転を喰らっているだけに全く読めない展開です。

 

3rdセット

 第1ゲーム、ジョコビッチのサービス。ジョコビッチが攻めの姿勢を見せ、最後はワイドエースでラブゲームキープする。

 第2ゲーム、錦織のサービス。ラリーからのリターンをジョコビッチがネットにかけ、比較的楽にキープする。

 第3ゲーム、ジョコビッチのセンターへのサービスを錦織が受けきれずラブゲームキープして譲らない。

 ここで、錦織の右肘のテーピングを切り痛み止めの薬を服用する。

 第4ゲーム、肘の状態が心配される錦織だが40-15とする。ここからお互いに粘りのラリーでジョコビッチのリターンがサイドラインを掛けデュースに。ここでフォア逆クロスがネットにかかりブレークポイントが来る。ここはネットに出て凌ぐ。更にはジョコビッチの逆を付くショットで必死のキープを見せる。

 第5ゲーム、錦織がよいリターンを決め、更にはジョコビッチのダブルフォルトで0-30とする。更にはジョコビッチのリターンがバックアウトし、錦織に絶好の3ブレークポイントが来る。しかし、ここをジョコビッチに凌がれると、サイドに振り合って錦織のリターンがアウトになり、こちらも必死のキープを見せる。

 第6ゲーム、錦織のリターンがネットに掛り、ジョコビッチにブレークポイントが来る。ここで錦織のリターンが大きくサイドラインを割るとジョコビッチが割れんばかりのガッツポーズを見せ、ブレーク先行される。

 第7ゲーム、流れを得たジョコビッチは前に出てプレッシャーを掛けラブゲームキープで試合を支配し始める。

 第8ゲーム、錦織のショットの狂いが大きくなり、ミスから2つのセットポイントを握られると、ワイドサーブを読まれ鋭いリターンを決められ、ジョコビッチがゲームカウント6-2で取りセットカウントジョコビッチの2-1となり、錦織は後がなくなる。

 

4thセット

 第1ゲーム、ジョコビッチのサービス。ジョコビッチがやや力みがあり、錦織が2つのブレークポイントを掴む。長いルーティンを取るジョコビッチに対して、ジョコビッチはライジングで攻めジョコビッチのアウトを誘い、待望のブレーク先行を取る。

 第2ゲーム、ジョコビッチの鋭いリターンが僅かにラインに掛り2つのブレークポイントを握られると、最後はスマッシュを決められブレークバックを許す。

 第3ゲーム、ブレークバックした瞬間に錦織が軽くラケットを地面にたたく様子をジョコビッチが見ており、これに警告を出さない主審を問い詰める一幕も。しかし主審に拒否されるも余裕の表情を見せるジョコビッチは、そのプレイぶりも大分リラックスしたプレイになってくる。錦織を常に視界にとらえて引き付けてのショットで錦織の足を完全に止めるラブゲームキープで勝利に近づく。

 第4ゲーム、余裕を見せるジョコビッチに対して、錦織は余裕がなく焦る。更には余ミスを繰り返し2つのブレークポイントを握られると、ロングラリーでも先にネットに掛けて絶望的な先行ブレークを取られる。

 展開的には絶望的ですが、ジョコビッチも安定してるとは言い難いのでその難しい面が出てくれるかどうかの展開です。

 第5ゲーム、ジョコビッチはここがポイントと気を引き絞り、1ポイント毎に声を出して自分を鼓舞する。更には強烈なスマッシュを決めるなどしキープする。

 第6ゲーム、いきなりのジョコビッチのバックストレートが強烈に決まる。更には次もほぼジョコビッチが支配するも僅かにアウト。ここからはジョコビッチのリターンがアウトになるなどし錦織がキープする。

 第8ゲーム、1stポイントをネットにかけあきらめた表情を見せる錦織。ここからはサーブでジョコビッチを攻める、しかし力んだリターンが連続でアウトにしデュースに。更には錦織のバックハンドリターンがアウトになり、ジョコビッチにマッチポイントが来る。最後は甘くなったリターンをジョコビッチにクロスショットを決められ、セットカウント3-1でジョコビッチが勝利しました。

 

 試合後笑顔で観客にアピールするジョコビッチに対して、錦織は最後まで下を向き悔しさを隠さずにコートを後にしました。

 

スタッツ

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 3セットの序盤まではまだまだ錦織にもチャンスがありましたが、3セット目の後半からはジョコビッチの攻めのプレイにほぼ屈してしまいました。

 今日は序盤から互いに様子みから入り、錦織が先に仕掛けましたがその時に生命線であるバックハンドショットが悉く決まらず、かなり厳しい試合になる事が予想されましたが、ジョコビッチもまだ全盛期程回復しているとは言い難く、良いショットとミスショットが表裏で繰り返す展開でした。

 しかしジョコビッチは錦織のサーブに全て対応し、これまで苦しい時を支えたサーブが全く脅威とならず、サービスエースの数も3本に留まるなど完全に抑え込まれました。しかしながらこれは、錦織がサーブの威力をコントロールし入るサーブを重視した結果です。その結果ストロークでは相手に主導権を握られたように思います。この部分は錦織本人の判断だったとは思いますが、悔いを大きく残す事になったのではないでしょうか。それが、試合後のあの下を向いて去っていた姿にも表れているような気がしてなりませんでした。

 何れにしても、これでジョコビッチ戦13連敗となりましたが、3セットマッチに比べても5セットマッチの方がジョコビッチに勝つ確率はとてつもなく低く感じました。それ程スコア以上に差のある試合内容でした。

 

 勝ったジョコビッチですが、グランドスラムSF進出という事で結果が彼を復活に導く可能性はあります。しかしながら安定度はまだなく、それを自分でも分かるのか鼓舞して自分を盛り立てようとしています。

 そのジョコビッチの対戦相手は、これから行われるナダル対デルポトロの勝者となります。

 

 錦織は気分を切り替えてハードコートに臨んでほしい所です。今回帯同しなかったチャンコーチとは今後どのような関係性でいるのか、またサーブは今後に向けても今回のグラスコート並みの積極性を維持できるのかを見ていきたい所です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2018 ウインブルドン 2ndweek 4回戦 錦織 対 グルビス

 ワールドカップでの日本の健闘の最中開幕されていますウインブルドン大会。その大会も早くも2ndweekに突入しました。

 

 

2ndWEEKドロー

 

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 今回のウインブルドンは序盤から荒れに荒れます。

 マレーの大会直前の欠場表明に始まり、1回戦でディミトロフ対ワウリンカが実現し、ワウリンカが勝利する事により早くもシードシードが落ちます。

 更には2回戦では優勝候補の一角に上げられたチリッチが絶対有利な状況からサスペンデットを期に逆転負けを喫しました。

 ティエムは早々に大会を棄権し、ズべレフは3回戦でグルビス相手に体調不良から終盤は完全に動けなくなり敗れ、2ndweekを待たずにトップシードの半分が落ちる展開となりました。

 

日本人選手推移

 

西岡

 残り2回のうちの1回のプロテクトランキングを使い参加の西岡は優勝候補のチリッチとのいきなりの対戦。

 序盤からサーブで押されてしまい、第1セットを6-1で落とすと、第2セット以降もブレークポイントを握りながらもしっかりチリッチに凌がれて実力差を見せつけられる完敗となりました。

 

 

ダニエル太郎

 

 ランキングでのストレート参戦となったダニエルは、シード19の曲者フォニーニとの対戦。第1セットはフォニーニがやや集中力を切らすプレイもあり、攻めの姿勢を貫き成長した姿を見せてセットを取るものの、2ndセット以降はフォニーニにスーパーショットを繰り出され、実力の差を見せつける逆転負けを喫しました。

 

杉田

 

 トーナメントから参加の杉田は1回戦予選勝者のクラーンと対戦。序盤は良いテニス内容でセットを取るも、2ndセットの競った勝負のタイブレークを落とすと、以降はミスを連発し、逆転負けで初戦敗退となってしまいました。ハレでの奮闘はありましたが、芝シーズン全体でみると大きく調子を上げる事はできずにランキングを40位台⇒70位台と大きく落とす事となりました。

 

錦織の勝ち上がり

 

 ハレ大会で怪我をおったバウティスタ・アグートの欠場もあり、シード25からシード24に昇格した錦織はそのシード1アップの恩恵が大きく、4回戦までにトップシードと当たらないドローとなりました。

 その錦織はこの大会、クレーコートから取り組んでいたサーブフォームの改善の結果が結果に出始めました。

 1回戦のハリソン戦はハリソンを上回る8本のサービスエースを記録し、セットカウント3-1で勝利すると、2回戦のトミック戦では自己最多更新の24本のサービスエースを叩き込みセットカウント3-1で勝利します。

 3回戦では怪我明けから調子を取り戻しているキリオスとの対戦となりました。前の試合までの経過に時間がかかり、イギリス時間で7時45分頃に開始された試合は2時間を超せば確実にサスペンデッドになるような状況で始まりましたが、序盤から落ち着きのない様子を見せるキリオスを尻目に錦織は鋭い反応でキリオスを圧倒します。

 2ndセットはブレークを先行しながらも1本のブレークポイントで追いつかれタイブレークに突入するも、集中力を切らさず凌ぎセットを物にすると、そのままキリオスの調子が戻る前に速攻を見せ、わずか97分での勝利となり、サスペンデットを回避する見事な勝利となりました。

 

4回戦 対 グルビス

 

 対戦相手のグルビスは3回戦でズべレフ相手に粘りと前に出るプレイの絶妙さでフルセットの末に逆転勝ちを収めました。

 グルビスは昨年のウインブルドンでも復活後すぐの試合でデルポトロに勝利するなど実績もあり、過去最高はランキング10位まで昇った事もある実力者です。

 

過去の対戦成績 1勝0敗

 年が1つ上の錦織とガルピスはユース時代にも試合を行った過去はあります。

 ATPツアーでは2014年のクレーコートのバルセロナオープンのSFで試合しており、この時は錦織がストレートで下し、そのまま優勝に突き進んでいます。

 

 今回の試合は芝での初対戦という事もあり、更には2ndWEEKともなればどう転ぶかは見当もつかない所です。

 錦織はこれまで3試合見せているように、強烈なサービスでピンチではショートポイントを稼げ、かつストロークでもしぶとく食い下がっていきたい所でしょう。

 

コート2 第2試合 21時頃試合開始予定

 

 錦織の4回戦は、コート2の第2試合の予定となっています。1試合目の女子シングルスの試合が日本時間の7時30開始となっており、大よそ21;00~22;00の開始時間が予想されます。

 

試合開始

1stセット

 第3ゲーム、錦織のサービス、互いによい立ち上がりを見せた両者。錦織は相変わらずサーブの威力があるものの、ストロークになるとフォアの救い上げるショットを再三に渡りネットにかけ2度のブレークポイントを奪われる。しかし、5度のデュース後に、錦織が引き付けてのフォアリターンを決め、辛くもキープに成功する。

 第4ゲーム、グルビスのサービス。2ndサーブをリターンする錦織のショットが鈍い音を立ててアウトに、錦織のラケットがこのフレームショットで壊れラケットを変える。このゲームはセンターのサービスエースを決め、ラブゲームキープされる。

 第5ゲーム、錦織のリターンが安定せず0-30とされると、サーブ&ボレーで前に出る、しかしこれに鋭いショットで対応され3つのブレークポイントを握られる。しかしここからグルビスに左右に展開されるも甘いドロップ気味のショットをアングルリターンで返しデュースに、ここで3連続レットになる錦織、ここでガルビスのリターンを空振りしてしまい4度目のブレークポイント、ガルビスのバックハンドリターンがライン際に鋭く決まり、グルビスに先行ブレークを奪われる。

 第6ゲーム、先ブレークを奪ったグルビスは2ndサーブでも錦織の読みを外すサーブで主導権を渡さずにキープする。

 第7ゲーム、錦織はこの試合初めてフォアの救い上げたショットを決めるなどしてキープする。

 第10ゲーム、グルビスのサービンフォーザセット。錦織を左右に振りストロークでも隙を見せないグルビスがラブゲームキープでこのゲーム6-4で先取する。

 

 ここで錦織がトレーナーを要求する。試合前から施されている右ひじのテーピングを外しマッサージを受ける。第4ゲームにグルビスのリターンをフレームショットしラケット破壊された時のショットの影響が大きいと判断します。

 

2ndセット

 第1ゲーム、錦織のサービス。 テーピングを外した錦織は40-15のサービスをグルビスが狙いすぎてネットに掛けてキープする。

 キープはしたものの、サーブの威力が極端に落ちており、フォアの精度もまだまだ万全でなく、心配な状況が続く。

 第2ゲーム、グルビスのサーブ、強力なサーブ、2ndサーブにも錦織はまだ対応できない、左右に振られて追いつくことができない錦織。簡単にキープされる。

 第3ゲーム、錦織はロングラリーを嫌い前に出るもその都度横を抜かれるショットを決められる。更にはグルビスの深いショットのリターンを錦織がアウトしブレークポイントを握られる。ここはグルビスが攻め急ぎのストレートリターンがアウトになりデュースに。グルビスの逆をついたフォアリターンがアウトになるなど乗り切れない錦織。更にはアドバンテージを握ってもダブルフォルトを喫する。1stサーブがほとんど入らず苦しい錦織は、しかし最後はグルビスのドロップがネットを超えずに、9分近い時間を要してギリギリのキープを見せる。

 ここで再び錦織はトレーナーを呼ぶ。セット始めにテクニカルタイムを要求したため話し合うにとどめる事しかできない。

 第4ゲーム、錦織は早い勝負に出てライジング的に仕掛けるもグルビスはそのリターンを悉く拾いしかもミスをしない。更には2ndサーブでも思い切りのよいコースを突き錦織にショートポイントでもロングポイントでも自由を与えず万全のキープのされ方が続く。

 第5ゲーム、1stポイントはグルビスが左右に振り錦織は追いつけない。2ndポイントも粘りのラリーから狙いすましたフォアストレートを叩き込まれる。ここでグルビスは勝負に出て2ndを叩くもネットに掛けるなどし、錦織が0-30から辛くもキープする。

 第6ゲーム、このゲーム3度目のタイムアウトでドクターと話し合う錦織。錦織はグルビスのサーブに反応できずラブゲームキープされる。錦織はラケットを見て深くため息をつくシーンも見られる。

 第7ゲーム、心配されるサービスゲームの1stポイントは力んだ錦織のリターンがネットに掛りながらアウトに。更にはバックハンドリターンまでもネットにかかるなど、このゲームも0-30となる。更には回り込んでのフォアショットが大きくアウトになりブレークポイントを握られる。ここはグルビスのリターンがネットにかかりデュースに。最後はセンターのサービスでグルビスを崩し、綱渡りのキープが続く。

 第8ゲーム、ここで錦織がこのセット4度目のゲーム間でのタイムアウトで薬を処方する。自身で肘をマッサージしながらも苦悶の表情を浮かべ、明らかに厳しい状況。サーブで押すグルビスは左右に振られるストロークでも丁寧な返球で錦織を追い詰る。錦織も諦めずにネット前に落とすなど食らいつくも、グルビスのバックハンドリターンがコーナーが決まり、スコア以上に余裕のあるキープを続けていく。

 第9ゲーム、同じキープでも対極の内容で苦しい錦織。1stポイントはグルビスの粘りのボディーショットに錦織がよく反応しポイントを取る。2ndポイントは2ndサーブを叩きに来たグルビスのリターンがネットに掛る。ここで錦織がネットにかけてダブルフォルトを犯すと思わず大声を張り上げる錦織。しかし最後はワイドサーブを静めキープする。しかし錦織には全く余裕の表情は見られない。

 第10ゲーム、ゲーム間でトレーナーは呼ばないものの長く下を向いてスポーツドリングを飲みながら状況を整理する錦織。このゲームは狙ったリターンができない錦織がラケットを地面に軽く叩きつける場面もあり、グルビスがキープする。

 第11ゲーム、サーブでショートポイントを目指す錦織がプレイに集中し、久しぶりのラブゲームキープする。

 第12ゲーム、ラブゲームしたもの表情が厳しい錦織。グルビスはサーブで錦織の状態を崩して引き付けてのショットを添発しキープ。このセットはタイブレークとなる。

 タイブレーク 錦織左 グルビス右

 1-0 グルビスのリターンコースを限定してアウトショットを誘う

 1-1 グルビスのワイドへのサービスエース

 2-1 浮いたボールを下がりながら2度スマッシュ、ミニブレーク

 3-1 完全に逆を付かれたがグルビスのリターン僅かにサイドアウト

 4-1 ラリーでグルビスのリターンがネットに掛る

 5-1 明らかにイライラが見えるグルビス、2度のレット、更にはリターンがサイドアウト、2ミニブレーク

 5-2 グルビスのワイドを読んで強烈なリターンもアウトに

 5-3 グルビスのドロップで2バウンド、ミニブレーク

 6-3 ワイドサーブを決め大きく吠える錦織が3つのセットポイント

 6-4 グルビスががセンターのサービスエース

 6-5 グルビスがオープンコートからのドロップショットを決める

 SET ラリーからのグルビスのリターンが僅かにバックアウト

 タイブレークを錦織が7-4で制しました。

 スタッツではサーブ、トータルポイント、ブレークポイント数、エース、エラーの少なさなど全てにおいてグルビスが上回ったにもかかわらず、錦織がこのセットを取りました。

 タイブレーク中も明らかにイライラが見て取れたグルビスがフォームを崩すかどうかに勝機がかかってきます。

 

3rdセット

 第1ゲーム、グルビスのサーブ。明らかに先ほどのセットを引きずるグルビスにミスが目立ち始め、この試合初の2つのブレークポイントを錦織が握る。しかし強烈なサーブでデュースへ。ここでグルビスの足を滑らせる逆を付くショットで3度目のブレークポイント。ここもセンターサーブで凌がれる。結局センターサーブに活路を見出したグルビスに凌ぎ切らるキープを許す。

 第2ゲーム、錦織のワイドサーブが決まり、第2セットとは全く逆の、苦しいグルビスのキープ、余裕の錦織のキープの出だしとなる。

 第3ゲーム、グルビスの早い2ndサーブにも対応してきた錦織がポイント先行する。読みがあって回り込んでのショットが見られるもネットにかかるなどし、やや勿体ない形でキープを許す。

 第4ゲーム、錦織のサーブにガルビスが苦労するようになり、楽々とラブゲームキープを果たす。

 第5ゲーム、ガルビスがダブルフォルトを犯すと、リターンをアウトし大声を上げる、逆に錦織はブレークポイント。ここは引き付けてのリターンで凌ぎデュースに。結局サービスエースで凌ぎのキープを見せる。

 第6ゲーム、中々ブレークできない錦織、しかし危なげなくキープする。

 第8ゲーム、錦織が連続でショットミスし15-30となる。ここで際どいバックハンドリターンがライン上に収まる。更には連続でワイドサーブを決めキープする。

 第9ゲーム、調子を取り戻しつつあるグルビスがワイドのサービスエースを決めラブゲームキープする。

 第10ゲーム、後サーブでプレッシャーが掛る中、センターやワイドサーブを使い分け、逆を付くショットで楽にキープする。

 第11ゲーム、1stポイントを錦織が取るも、その後はサーブで押し、グルビスが楽にキープする。

 第12ゲーム、ブレークを狙い攻めるグルビスのショットがネットにかかるなどして錦織がラブゲームキープでタイブレークに突入する。

 タイブレーク

 1-0 クロスのラリーから引き付けての鋭いショットをグルビスがバックアウト、ミニブレーク

 2-0 グルビスがリターンをネットに掛ける

 2-1 グルビスが前に出て冷静にリターン、ミニブレークバック

 3-1 錦織がリターンエース、ミニブレーク

 4-1 錦織が引き付けてのフォアリターンで2ミニブレーク

 4-2 錦織がダブルフォルト、1ミニブレークへ

 5-2 錦織の引き付けてのフォアリターンでグルビスが転倒

 ここでグルビスが左内側の膝を捻りトレーナーを呼び中断、そのままテクニカルタイムアウトとなる

 更に錦織もこの時間を利用しバスルームブレークを取る

 戻ってきたグルビスは左ひざ周りを厚くテーピングで巻いて登場

 5-3 サイドラインのサービスエース

 5-4 ワイドサーブを決めるも、着地した瞬間に足を痛める素振りを見せる

 5-5 錦織がダブルフォルト、ミニブレークバック

 6-5 深いショットを立て続けに打ちセットポイント

 6-6 ワイドサーブを決める

 7-6 錦織のドロップショットが決まりミニブレーク+セットポイント

 7-7 2ndサーブをリターンエースでミニブレークバック

 7-8 錦織がバックハンドリターンをネットにかけミニブレーク+セットポイント

 8-8 グルビスのドロップショットがネットにかかるミニブレークバック

 9-8 グルビスが浮いたボールをスマッシュミス、ミニブレーク+セットポイント

 9-9 錦織のフォアリターンがネットに掛る、ミニブレークバック

 9-10 錦織のフォア逆クロスが大きくアウト、ミニブレーク+セットポイント

10-10 ロングラリーからグルビスのフォアリターンがアウト、ミニブレークバック

11-10 グルビスが前に出た所をパッシングで抜きミニブレーク+セットポイント

12-10 サーブ&ボレーでプレッシャーを掛けグルビスのリターンがネットに掛り、錦織が激戦の末セットカウント2-1とリード。

 途中互いがキープできず緊迫感が高まる中で貴重なセットリードとなりました。グルビスの膝の状態は動き的には重症とまではいってない模様ではあるものの、今後錦織はしっかりと試合を締める事ができるでしょうか。

 

4thセット

 ここでセット間でグルビスが引き上げる。

 第1ゲーム、錦織のサービス。既に試合時間は3時間を超えたこの試合、ショートポイントを狙うグルビスに対して丁寧にラリーする錦織がキープする。

 第2ゲーム、錦織が前に出て攻めるも、グルビスもドロップを使い食い下がる。ここで一旦は入ったと思われたサーブに錦織がチャレンジ成功し、その後ダブルフォルトで錦織がブレークポイントを握る。ここからもドロップショットで凌ぐグルビス、しかし深いショットで錦織2度目のブレークポイント、そしてセンターサーブをコーナーへリターンするとグルビスが懸命に追いかけるもリターンがネットに掛り錦織がこの試合初のブレークを取る。

 第3ゲーム、錦織がワイドサーブや引き付けてのフォアリターンを容赦なく決めラブゲームキープする。

 第4ゲーム、グルビスは思い切ったサーブで早い勝負に出るも錦織もしっかりリターンする展開に、更には錦織のライン上の深いリターンでブレークポイントを掴む。ここで攻めた2ndがダブルフォルトになり錦織が2ブレークアップとなる。

 第5ゲーム、やや集中力が緩まった錦織はグルビスの粘りもあり30-30とされ、更にはリターンエースでデュースに。ここで鋭いバックハンドクロスでアドバンテージを握ると、グルビスがリターンをネットに掛け、気を締めなおすキープと共に5ゲーム連取となる。

 第6ゲーム、グルビスは抑えが効かず錦織にマッチポイントが来る。ここは錦織がリターンをネットに掛けデュースに。ここから連続サービスエースで意地のキープを見せる。

 第7ゲーム、錦織のサービンフォーザマッチ。厳しい表情で気を引き締める錦織は、鋭いフォア逆クロスを決め2つのマッチポイントを握る。最後はグルビスのクロスリターンがアウトになり、錦織が自身初のウインブルドンベスト8を達成します。

 

スタッツ

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 トータルスタッツで見ると、グルビスがいかに前半良かったかがわかります。

 序盤はミスをせず、かつ思い切った2ndサーブが良く決まり、錦織が付け入る隙はほとんどありませんでした。

 2ndセットも圧倒的に内容で押されながらもタイブレークを際どく凌いで取った事が3rdセットの展開的逆転につながります。そしてそのタイブレークでの左膝の故障により大分錦織に戦局が傾きました。

 右肘の痛みでこれまでと思われた試合ですが、最後まで粘り切れた事も大きいでしょう。

 

錦織のコメント

 錦織「大変な試合でした。出だしは良くなくてどうなるかと思ったが、2セット目から少しずつ良くなっていった。特に3セット目のタイブレークは厳しかった、あそこを取れたのが大きかった。どちらも苦しいタイブレークで、自分にセットポイントが来たのに物にできなかった、逆に相手のセットポイントを良く凌げたと思う。肘に関しては今日じっくり様子を見たい。とにかく1つ壁を破れたので、1つ1つ前に進みたいです。」

 

QF準々決勝の対戦相手

 準々決勝の対戦相手はこの後試合が予定されている、ハチャノフ対ジョコビッチの勝者となります。

 ハチャノフは前哨戦のハレで完敗しており、ジョコビッチには現在12連敗中と共に相性が悪く鬼門となる厳しい対戦相手となるでしょう。

 

 

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