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2018 全米オープン 決勝 デルポトロ 対 ジョコビッチ

 9月10日(月)日本時間朝5;00から2018年全米オープンの決勝カードであるデルポトロ対ジョコビッチが開始されます。

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共に実力を温存しての勝ち上がり

 両者ともに決勝に向けては比較的強度の強い試合をせずに勝ち上がってきているのは共通点と言えます。

 デルポトロは4回戦のチョリッチ戦までは1セットも落とすことなく勝ち上がります。QFで好調イズナーに完璧なプレイで1stセットを落とすも2ndセット以降も落ちずにイズナーのエラーを待つテニスで勝利します。SFのナダル戦ではナダルの膝の状態が思わしくない部分はあったにせよ、これまであまり積極的には見られなかったバックハンドのウイナーを連発し、この大会に掛ける意気込みが伝わる勝利を収めて決勝にあがってきました。

 このナダル戦で見せたフォア、バックの両面からの攻めが今回デルポトロが見せたかったプレイのように思います。ナダルの棄権で2セットしか試合をしなかったのもあり、体力面では十分で挑んできます。

 

 一方のジョコビッチはデイセッションが多く、暑さのためか序盤の2回戦まではやや安定感を欠く出来でセットを失いながら勝利します。その後はストレート勝利で決勝まであがりましたが、サーブの精度で持っている印象を受けます。ストロークでは粘り強い守備が復活しつつある半面、攻めの局面ではまだミスが多いのが現状です。

 

 今大会は暑さと湿気、センターコートの空調の悪さで棄権者が続出し、トップ選手、特にフェデラーなどはかなり強い語気で批判しています。

 

過去たの対戦成績 ジョコビッチの14勝4敗

 

 過去の成績はジョコビッチが14勝4敗と大きく上回ります。直近3試合もジョコビッチが勝利しています。最も直近の試合は1年前のローママスターズでストレートで一蹴しています。

 所がグランドスラムで対戦したのは過去に1度しかなく、しかもそれは11年も前の試合となります。2007年の全米オープン3回戦で対戦しており、この時はジョコビッチがストレートで勝利しています。

 このようにグランドスラムではほぼまっさらな状態、しかも決勝とくれば、これは過去の対戦はないものと一緒と言えるでしょう。

 

デルポトロが支配する可能性が高い

 

 ここまでの勝ち上がりから見ると、デルポトロの方が試合を支配する可能性が高いでしょう。ナダル戦で見せたようにフォアだけでなくバックでも強いリターンを打てるような状態が持続していれば、ジョコビッチはベースラインでリターンをするだけでは厳しい展開になるでしょう。前に出たりドロップを多用したり、そして感情をむき出しにして襲い掛かるぐらいのレベルのプレイがジョコビッチは要求されます。準決勝より2段階はギアアップが必要と見ます。

 いずれにせよこの対決は18度も対戦がある割には非常に新鮮に映るカードであり、ネームバリューも含めて決勝に相応しい好カードであるのは間違いありません。

 

試合経過

  この決勝も女子決勝同様にインドアでの開催となりました。

1stセット

  第1ゲーム、ジョコビッチのサービス。サービスでポイントを奪うといきなりの大歓声。最後はデルポトロがバックハンドスライスをサイドアウトし、ジョコビッチがキープする。

 第2ゲーム、デルポトロのサービス。サービスエースを含むラブゲームキープを果たす。

 第3ゲーム、デルポトロがネットに出て0-30とする。しかしジョコビッチは執拗にデルポトロのバックハンドを狙い、デルポトロのネットミスを誘い、デュースになったこのゲームをキープする。

 第4ゲーム、バック狙いに徹するジョコビッチは、しかしデルポトロのバックハンドストレートがここで炸裂するとジョコビッチは対応できずにキープする。

 第5ゲーム、このゲームからジョコビッチはデルポトロのバックハンド狙いを止め、ストロークのスピードを速めデルポトロのミスを誘う、更には足を止めてのフォアクロスを炸裂させキープする。

 状況に応じてジョコビッチはストロークやリターンの強弱を変えています。さすが決勝なだけあってメンタルのムラもほとんど見られず緊迫しています。

 第6ゲーム、早いリターンのジョコビッチに対してデルポトロはセンター中心のサーブでラリーをさせずにキープする。

 第7ゲーム、深くボディーに入るリターンにもジョコビッチは巧みなボディーコントロールでライジングショットを放つなどの決勝仕様の素晴らしいプレイでラブゲームキープする。

 第8ゲーム、デルポトロは初めてのサービスエースで40-0とするも、デルポトロのバックハンドストレートを読み切りフォアクロスでカウンターショットを決めデュースに。更にはボディーに入ったリターンをライジングで鋭く振りぬくとデルポトロのリターンがバックアウトになり、この試合初めてのブレークポイントがジョコビッチに来る。ここで執拗なバックハンド狙いからライジングでフォア側に振るとデルポトロのフォアリターンがネットに掛かりジョコビッチが唯一のチャンスをブレークにつなげる。

 第9ゲーム、突然訪れたジョコビッチのサービンフォーザセット。デルポトロのバックハンドストレートが炸裂するなど諦めないプレイを見せる。しかし流れを渡すまじとジョコビッチは前に出て攻勢を仕掛けてからのバックハンドボレーを決める。ジョコビッチの深いクロスショットをデルポトロが打ち上げセットポイントが来る。ここでセンター付近の打ち合いからフォア側に振ったところをデルポトロのフォアリターンがネットに掛かり、ジョコビッチが6-3でセットを先取します。

 

 デルポトロのバックハンドはストレートでウイナーが取れるなど悪くありません。しかしそれを利用してジョコビッチは執拗なバックハンド狙いからのフォアに急に振るショットを多用し、デルポトロが得意のフォアリターンを許しません。このバックハンドからの急激なフォア狙いをされた場合デルポトロの出足は鈍り、得意のフォアの強打が打てていません。まさしくジョコビッチの作戦通りの試合展開となっています。

 また、それを可能とするぐらいプレイ精度が上がっています。決勝仕様のビック4の力の凄さを感じさせるセットでした。

 

2ndセット

 

 第1ゲーム、デルポトロのサービス。ジョコビッチはまたも前に出てのボレーでガッツポーズを見せる。更にはクロスラリーからのフォアショットを炸裂させ0-30。ここで久々にデルポトロのフォアがジョコビッチを崩す。ジョコビッチは引き付けてのフォアクロスをコーナーに決めデュースに。ここでスライスの打ち合いからネットに出たデルポトロを見てジョコビッチが鋭くバックハンドでパッシングで抜きブレークポイントを掴む。ここはデルポトロが我慢して粘るも、フォアのリターンをアウトするミスで2度目のブレークポイント。ここでもデルポトロのフォアが強烈に決まり凌ぐ。ジョコビッチのバックハンドクロスがサイドラインを割り、デルポトロがなんとか試合に踏みとどまるキープを果たす。

 序盤から重苦しく、デルポトロに観客が味方する展開です。ジョコビッチは1プレイ毎にショット強度やコースを変えデルポトロを常に苦しめています

 第2ゲーム、ジョコビッチのサービス。ジョコビッチのリターンが対角に正確にストロークされるため、デルポトロが思うようなリターンが出来ない。最後は前に出たデルポトロを狙ったかのようにバックハンドで抜きジョコビッチがキープする。

 第3ゲーム、ジョコビッチの引き付けてのフォア逆クロスがコーナーに炸裂する。デルポトロはややうつむいた表情を見せる。しかし、思い切りデルポトロはフォアを振りぬき勇気を見せる。デルポトロが前にきたところにロブショットを放つジョコビッチ、デルポトロは必死に追いかけまた抜きショットでリターンするもスマッシュでとどめを刺す。更には強打のラリーからデルポトロのフォアが僅かにバックアウトになりジョコビッチにまたもブレークポイントが来る。するとデルポトロがリターンを打ち上げてしまい、静かにガッツポーズをするジョコビッチが勝負を一気に決めかねない先行ブレークを奪う。

  第4ゲーム、前に出たショットをデルポトロに読まれるも、それでも体がしっかり反応するジョコビッチはデルポトロの逆を突くショットを見せると、デルポトロはそれはないよという感じでうなだれる。更にはフォアリターンをネット掛けジョコビッチが万全のキープを果たす。

 第5ゲーム、デルポコールが起きる程苦しい状況のデルポトロ。ジョコビッチの粘りにデルポトロがフォアのスマッシュを決めると大歓声が沸き起こる。最後は粘りのラリーからフォアのストレートを炸裂させると、デルポトロは力強くガッツポーズをするとともにキープに成功する。キープでガッツポーズし鼓舞が必要な程ジョコビッチはデルポトロを追い詰めている。

 第6ゲーム、1stポイントはデルポトロがとるも、前に出ての攻勢で連続ポイントを奪わせないジョコビッチ。デルポトロが大外からの強烈なフォアでガッツポーズ。更に引き付けられてからのリターンを必死に拾うと次のリターンで強烈なフォアを炸裂させ、大きなガッツポーズとともにこの試合デルポトロが初めてブレークポイントを掴む。深く構えたデルポトロを見たジョコビッチはすぐにネットに出るとデルポトロのリターンが大きくアウトし、ジョコビッチもガッツポーズを見せるデュースに。ここでジョコビッチがフォアをネットに掛けてアウトするミスで2度目のブレークポイント。ジョコビッチのセンターのサーブを必死でデルポトロが返すとジョコビッチがフォアをサイドアウトするミスでデルポトロが待望のブレークバックを果たす。会場は大きく沸く。

 第7ゲーム、ブレークした後キープできるかデルポトロ。そのデルポトロは全く下がらないでポイントを先行させる。会場も大沸騰する。最後はワイドのサービスエースでデルポトロが勢いを得るラブゲームキープを果たす。

 ジョコビッチのリターン精度に大分狂いが生じています。この部分に今のジョコビッチの人間らしさが垣間見えます。この違和感にジョコビッチはどのように対応していくかが見ものです。流れは完全に変わったように見えます。

 第8ゲーム、1stポイントはまたもジョコビッチがらしくないリターンミスを見せる。ここで互いが粘りのプレイのラリーでジョコビッチがフォアショットを決め、ジョコビッチは両手を振り上げ観客を煽る。ジョコビッチのリターン速度が下がった所をデルポトロがフォアクロスを炸裂させる。しかしジョコビッチは1リターン毎に声を出しネットに出てデルポトロのリターンミスを誘う。ここでドロップを見せるジョコビッチだがデルポトロも追いつくと必死にリターンすると、このリターンをジョコビッチはサイドアウトしデュースに。

 激しいラリーからデルポトロがバックハンドストレートをダウンザラインに決め大きな雄たけびを上げるブレークポイントを掴む。しかしバックリターンがネットに掛かるデルポトロ。前にきたジョコビッチを狙ったデルポトロのフォアクロスが炸裂すると振りかぶてのガッツポーズを見せ2度目のブレークポイント。しかし渾身のフォアがロングになるデルポトロ。その後も何度もデュースになる中、ジョコビッチのリターンがネットに掛かり3度目のブレークポイント。しかし失敗を恐れず前に出て凌ぐジョコビッチ。ここで大きなノーレコールが起こる。

 ここでボールの交換を要求するジョコビッチに観客からブーイングが。デルポトロと話し合うジョコビッチの一幕も。センターのラリーの応酬でデルポトロがネットに掛けると小さくガッツポーズするジョコビッチ。最後はデルポトロのフォアリターンがサイドラインを割り、20分を超えたこの1ゲームをジョコビッチが魂のキープを見せる。

 第9ゲーム、ジョコビッチがまたもボール交換を要求する場面がみられる。デルポトロ側もらしくないリターンミスを連発。デルポトロはセンターライン付近に雨漏りがあるとクレームを入れるシーンが見られる。

 第10ゲーム、やや長いインターバルの後試合は再開される。前に出てデルポトロを崩すジョコビッチが比較的楽にキープする。しかし会場は緊迫感に溢れる。

 第11ゲーム、ジョコビッチが先ほどデルポトロが指示した場所の雨漏りを指摘しふき取らせる場面も。ワイドのサービスエースを見せるなどデルポトロも同じスコアでキープする。

 第12ゲーム、このゲームはショートポイントでジョコビッチがラブゲームでキープし、緊迫のこのセットはタイブレークへ。

 タイブレーク 左 ジョコビッチ 右 デルポトロ

 1-0 深いリターンをデルポトロがネットに掛けミニブレーク

 1-1 ジョコビッチがリターンをネットに掛けミニブレークバック

 1-2 フォアリターンでジョコビッチの逆を突きデルポトロがミニブレーク

 1-3 デルポトロのフォアが炸裂

 2-3 デルポトロのフォアがネットに掛かり、ミニブレークバック

 3-3 前に出てのスマッシュを決めるジョコビッチ

 4-3 デルポトロのバックハンドスライスがアウト

 4-4 ラリーからのリターンをジョコビッチがネットに掛ける

 5-4 デルポトロがフォアリターンをネットに掛けミニブレーク、デルポトロガックリ両手をつく

 6-4 デルポトロのフォアアングルショットがサイドアウト、またもデルポトロ両手を膝につく

 7-4 左右に振るジョコビッチのリターンにデルポトロのフォアがネットに掛かり、ジョコビッチが95分の激闘のセットを制し、2セットアップとなる。

 

 セットを取った瞬間ジョコビッチは息を大きく吹き、涼しい表情を見せる。

 互いにトイレットブレークで席を離れる。

 一方的になりかねない試合展開を気合で戻したデルポトロですが、ジョコビッチは狂う精度のリターンでもあきらめず粘ります。最後は両手を膝につくのを見てもわかるように、デルポトロのフィジカルが限界に近づいています。

 最後まであきらめることはないデルポトロの抵抗は見られそうですが、このままですとジョコビッチが試合を頭脳で制する展開となりそうです。

 

3rdセット

  第1ゲーム、ジョコビッチのサービス。互いに厳しいコースのリターンに反応しあうストロークの中、デルポトロのフォアリターンがアウトになりジョコビッチがキープする。

 第2ゲーム、ジョコビッチのサーブリターンがアウトになり、比較的楽にデルポトロがキープする。

 第3ゲーム、ジョコビッチは前に出るプレイを再三見せキープする。

 第4ゲーム、ジョコビッチが0-30とデルポトロを追い詰める。しかしここでリターンをアウトしラケットを噛む。フォアストレートでデルポトロを崩し前に出てのボレーでジョコビッチにブレークポイント。ここをセンターのサービスでデュースに。互いの深いショットの応酬でデルポトロのフォアショットをジョコビッチがクロスでリターンするとジョコビッチは打った瞬間に大きなガッツポーズを見せる2度目のブレークポイント。デルポトロは非常に苦しい表情とともに膝に手をついてしまう。この場面、デルポトロが踏ん張りがきかずリターンをバックアウトし、ジョコビッチが試合を決定づけるブレークを取る。

 結果的に第2セットで体力を奪い切ったジョコビッチが試合を制する展開となっています。

 第5ゲーム、デルポトロは歯を食いしばりストレートリターンを決めると披露困憊ながらもゆっくり手を上げ観客を煽る。互いに前に出てのボレーの応酬などもありデュースに。ラリーからジョコビッチがフォアリターンをネットに掛けデルポトロにブレークポイント。ここでジョコビッチにショットクロックのタイムバイオレーション。更にはこのポイントでボレーにボレー返しを決め、静かにガッツポーズを作るデルポトロがブレークバックに成功する。

 デルポトロの折れない精神力は見事の一言です。この精神力をSFジョコビッチ戦で見たかったと思う視聴者は少なくないでしょう。

 第6ゲーム、デルポトロのフォアが炸裂し、観客を味方につけるキープを果たす。

 第7ゲーム、デルポトロのカウンターリターンが決まりポイントを先行するも、ジョコビッチも食らいつきキープを見せる。

 第8ゲーム、ジョコビッチがデルポトロに確率の低いリターンを強いるとダブルフォルトを喫し、ジョコビッチに2つのブレークポイント。更には長いラリーの末、デルポトロのバックハンドストレートがサイドアウトし、ここにきてのジョコビッチがブレーク先行を取る。

 第9ゲーム、ジョコビッチのサービンフォーザチャンピオンシップ。ドロップがネットに掛かるジョコビッチ。しかしデルポトロもバックストレートがサイドラインを割る。長いラリーでデルポトロのリターンがネットに掛かる。デルポトロがリターンをネットに掛けながらラインを越えず30-30。ネットに出てのフォアを炸裂させたジョコビッチがついにチャンピオンシップポイント。最後はデルポトロの逆を突くスマッシュを炸裂させると、ジョコビッチはその場に倒れこむ。

 ジョコビッチがストレートながらも3時間30分の大熱戦を制しました。

 

 ジョコビッチが小走りで陣営の勝利の輪に飛び込むのとは対照的に、デルポトロはベンチに座り込み、肩を震わせながら大粒の涙を流す対照的な絵が映し出される。

 

 更にベンチで下を向くデルポトロに後ろか抱き着き1分間程話し合うジョコビッチとの両雄の姿も映し出される。

 

 デルポトロ「ここでしゃべるのは難しい瞬間です。決勝でプレイできたのは幸せな気分です・・。ノバクは友人なので優勝したというのはうれしいという気分もありますが、、、素晴らしい勝利でしたね。そうだね、、怪我をしている間もあきらめたことはありません。9年掛かりましたが戻ってきました。それは素晴らしいことです。わざわざ地元からたくさんのファンが来てくれました。今日は負けてしまったけど、この決勝は気持ちのよい雰囲気で試合をさせてもらった。そのことは感謝しかないよ。」

 

 ジョコビッチ「応援した方々、チームの人々に感謝したい。怪我で苦しんでいた時、そう、ファンマルティンも同じ思いをしたのをよく痛感します。しかしいろいろ学びもしました。うまくいかない時、気力が続かない時どうすればよいか。そして、そこであきらめずにいたことでこの結果を手にしたとも言えます。一言、ファンマルティンを祝福します。あれだけの大けがからこの舞台に戻ってきました。彼はトッププレイヤーなのでこれからもこの舞台に立てることを願ってます。しかし、、いや、、まぁ、、なんというかサッカーの会場みたいでしたよ(笑顔)。でも雰囲気は最高でした。ありがとう。」

 

 ジョコビッチが見せたわずかな隙をしっかり待っていたデルポトロですが、ジョコビッチはプレイ精度が下がった時には体力勝負に持ち込み、試合展開的には完勝といっていい内容で優勝しました。しかし、プレイ精度は随所に高く好ゲームだったように思います。

 

 デルポトロもバックハンドショットで強打が打てるのをこの決勝でも何度も見せました。長丁場になる際の体力は仕方のないことです、あれだけの巨体なので体力面ではスリムに対応するジョコビッチと差があるのは否めませんが、そんな中でもあきらめず最後まで食らいつきました。もっとワンサイドになってもよいゲームだったにもかかわらずかなり肉薄しました。このメンタルの強さはトップレベルの必須条件とも言えるのでしょうか。

 

 これでグランドスラムすべてが終了しましたが、今年も、全豪フェデラー、全仏ナダル、ウインブルドンジョコビッチ、全米ジョコビッチと、結局ビック4が独占する形で幕を閉じました。とは言え準優勝者が全豪チリッチ、全仏ティエム、ウインブルドンアンダーソン、全米デルポトロと中堅所が対抗としてしっかり戦えてた事も示しています。

 来年はビック4以外のだれかがグランドスラムのトロフィーを挙げる機会はあるのかに注目したい所です。そして、徐々に体力的に限界を迎えつつあるフェデラーの引き際も近づいているという悲しい現実にも直面しているようにも思います。

 

 

2018 全米オープン女子決勝 大阪 対 セレナ・ウイリアムス 大阪がセレナを圧倒し日本人初のグランドスラム制覇を達成

 9月10日(日)午前5時から日本人女子初の全米オープン決勝を戦う大阪選手の試合が始まります。

 大阪なおみのこれまでの勝ち上がりは万全の1~3回戦に比べて4回戦は1stセットを取りながらも開き直っての強打を繰り返すサバレンカにセットを奪い解され、さらにファイナルセットも先行ブレークを奪われるなど追い込まれるも、ここでいつもの精神的な落ち込みは見られずしぶとくミスを最小限に抑えたプレイで逆転で制します。

 SF準決勝は因縁の相手キーズ選手でしたが、キーズの厳しい攻めで13度のブレークポイントを掴まれるもこれをすべて凌ぐというハートの強さを見せ、相手を精神的に追い詰めての57分ストレート勝利の完勝を収めて決勝へ進出しました。

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 対するセレナは3回戦で姉妹対決を制し、4回戦は巨漢カネピから1stセットをベーグルで取りながら2ndセットを奪い解されるも、最後は落ち着きを取り戻し勝利しました。

 

 互いに勝ち上がり方が似ており、4回戦でフルセットの激戦を演じた後に、QF、SFと完勝で勝ち上がってきました。

 

過去の対戦は今年のマイアミで大阪の勝利

 

 過去の対戦成績はセレナが復帰したばかりのマイアミオープンの1回戦で当たっておりこの時はストレートで大阪が勝利しています。

 とはいえ、この勝利が判定材料になることはないでしょう。プレイ強度がまるで違います。

 

試合展開

 

 会場は雨天のため屋根が閉じられるインドアコートとして開催されます。

1stセット

 

 第1ゲーム、セレナのサービス。やや硬さがみられる両選手、ダブルフォルトで大阪が0-30とリードするもここからワイドサーブ主体の攻めでポイントを重ねキープされる。

 第2ゲーム、大阪のサービス。大阪もダブルフォルトを喫し、第1ゲームと全く同じ0-30で今度は大阪の度胸が試される。ここでフォアの強打を決め、更にセンターサーブを中心にセレナを崩し、同じような形でキープする。

 第3ゲーム、両者とも同じような立ち上がりとなった中、セレナはリターンをサイドアウトし大阪が2つのブレークポイントを握ると、セレナはダブルフォルトを喫し、大阪が先行ブレークに成功する。

 第4ゲーム、ブレークキープできるか大阪。しかし硬さも見られず左右によく動ける大阪は、パワーをパワーで返すなど白熱したラリーを見せキープする。

 第5ゲーム、サーブが安定しないセレナがオーバーショットでまたも大阪にブレークポイントが来る。すると、センターの強烈なサーブを難なくリターンする大阪に、セレナのリターンがバックアウトとなり、大阪が2ブレークアップとなる。

 第6ゲーム、セレナが強烈なリターンを返す。更にはネットに出られて追い詰められるも大阪が大外からのクロスリターンを決め、これにはセレナも拍手を送る。さらにはやや浮いたリターンをダウンザラインにセレナが決めカモンの雄たけび。お互いの深いクロスラリーから強烈なセレナのクロスが決まり会場が大いに沸くセレナのブレークポイントが来る。だが大阪はここで188キロのサービスエースでデュースに。セレナのボディーリターンにリターンが食い込みネットにかかり2度目のブレークポイント。しかしラリーでのリターンをセレナがネットに掛けコートを蹴って悔しがるセレナ。最後は大阪のサーブをセレナが大きく打ち上げ、大阪がカモンの大声を上げるキープを見せる。

 第7ゲーム、セレナのリターンが外れ0-30と追い込む。ここから大阪は連続でサーブリターンをネットに掛け、セレナがキープする。

 第8ゲーム、早くも大阪のサービンフォーザセット。やや巻き返す形でキープされた大阪は太ももを叩き鼓舞する。大阪はセンター、ワイドを使い分けセレナに的を絞らせず2つのセットポイントを掴むと、ボディーへのサーブをセレナがネットに掛け、大阪が貫録を見せるセットアップを見せる。

 大阪は涼しい表情でベンチにに向かう。

 サーシャバジンコーチになってからのメンタルコントロールの集大成と言わんばかりの最高のテニスを披露します。リターンミスしても次のプレイで引きずらず、かといって力任せでなく、威力を落としてコーナーを狙うプレイ、更には今まで同様のパワーの強打を織り交ぜ、セレナは大阪のプレイに全く的を絞れていない状況です。

 このままいけば初優勝は目前と言えるでしょう。

 

2ndセット

 

 第1ゲーム、セレナのサービス。センター中心のサーブで下がらないセレナが一息つくキープを見せる。

 第2ゲーム、ロングラリーでセレナに粘られるもショートポイントでしっかり取り返す大阪。40-15の場面でセレナにコーチングのウォーニングが与えられ、セレナは抗議する。ここで大阪の鋭いリターンが決まり、大阪がキープ。

 ここまで強度が強いプレイに1ポイント毎に観客の歓声が響く雰囲気のよい決勝となっています。

 第3ゲーム、大阪にも声援があるものの、セレナのポイントでより声援が多くややアウエーの雰囲気が会場を包む中、ロングラリーからの逆を突く鋭いフォアの打ち抜きに会場からどよめきが。更にはセレナが大阪の角度のあるリターンにバランスを崩し、大阪にブレークポイントが来る。ここは互いに執念のリターンでデュースに。観客が大いに沸騰する。更にはまたも両者が拾いあう展開からセレナのドロップが綺麗に決まる。最後も厳しいリターンを大阪がネットに掛けセレナが必死のキープを見せる。

 観客が大いに盛り上がる中、セレナは厳しい表情でベンチに戻り、先ほどの警告に対して主審と口論する。

 第4ゲーム、セレナの必死のリターンに大阪のリターンがアウトになり0-30となる。しかし、2ndサーブでサービスエースを決める。更には引き付けての逆コースのリターンで大阪はカモンの声。ここでセレナが声をあげての必死のリターンを大阪が力んでネットに掛け、セレナにブレークポイントが来る。ここで互いの粘りのロングラリーで大阪が決めデュースに。セレナのネットスレスレのリターンをネットに掛け2度目のブレークポイント。大阪は2度ラケットをコートに叩き気分を落ち着ける。するとここでワイドのサービスエースで凌ぐ。セレナが角度をつけたサーブリターンで3度目のブレークポイント。しかしここもサーブで凌ぐ大阪。セレナのリターンエースで4度目のブレークポイントとピンチが続く。ここで大阪のリターンがオーバーショットとなりセレナが先行ブレークを奪取する。

 第5ゲーム、1stポイントをワイドのリターンエースで大阪はカモンの声。しかしセレナは今度はセンターのサービスで崩す。ここから2本のダブルフォルトで大阪にブレークポイントが来ると、セレナがリターンをネットにかけ、大阪が何もしないままブレークバックに成功する。セレナは悔しがり思い切りの力でラケットを叩きつけるとラケットは無残に折れ曲がる。

 第6ゲーム、セレナがラケットを破壊したことにより2度目の警告で15-0からのスタートとなる。しかし、セレナは1度目の警告を受け入れておらず、主審に激しく抗議する。心配そうに姉ヴィーナスも見守り、観客からブーイングも起こる。大阪は気にする素振りを見せずサーブで崩し、最後はサービスエースでラブゲームキープを見せる。

 第7ゲーム、チャンスボールをオーバーリターンするなどセレナのリズムは戻っていない。大阪のリターンエースがコーナーに決まりブレークポイントが来る。すると、セレナが前に出るところをフォアパッシングで抜いて大阪が優勝に向けてのブレーク先行を取る。

 第8ゲーム、セレナはなおも主審に抗議し落ち着かない。するとラモス主審はゲーム警告を宣告する。この警告はゲームを相手に与える警告で非常に重い処分となる。会場はどよめきとブーイングに包まれる。

 この異常事態に主催者側のコーチングが入り試合は中断される。この間大阪は気にする素振りをなく戦いに備える様子が映される。結局セレナはこの裁定を受け入れると会場は大きなブーイングに包まれ、その声はやまない。

 第9ゲーム、ざわつきが収まらない中セレナがプレイを開始し、強烈なクロスリターン、更にはサービスで追い込むと大歓声が起きる。ここでフォルトしただけでブーイングが止まないなど異様としかいえない雰囲気。このゲームをセレナがラブゲームキープすると大歓声が起きる。しかし知れなはベンチには戻らず主催者側に激しく抗議し、目には涙を浮かべている。ベンチに戻ったセレナは悔しさのあまり涙をタオルで拭いながら正面を向く。

 第10ゲーム、普通の試合とは違う異様な雰囲気の中の大阪のサービンふぉーざチャンピオンシップ。大阪の逆シングルが決まると会場はどよめく。しかしセレナのアングルリターンに会場が大沸騰。センターサーブを決め大声を上げる大阪。更にはワイドサーブでついに大阪に2つのチャンピオンシップポイント。粘りのバックハンドリターンでセレナが抵抗。最後はワイドサーブを決め、セレナと抱擁を交わす。

 

 大阪はベンチに戻ると両手に手を当て感動のあまり涙する。

 対してセレナは大阪を祝福した後に主審に人差し指を差し、更には会場からもブーイングが起こる。

 

 大阪は観客席に上がりコーチ陣と抱擁を交わした後、母親と長い涙の抱擁を交わす。

 

 表彰式では開催側の人間が壇上に上がると大きなブーイングが上がる。この異様な雰囲気のせいか大阪は思わず涙を浮かべてしまう。それを気遣うセレナ。

 

 大阪の名前が呼ばれても目に涙を浮かべた大阪は前に歩みだすことができない。しかし、ここで口を開く「ちょっと質問と違うことをいいます。。。みんな彼女(セレナ)を応援していたはず。なのでこんな終わり方になって申し訳なく思っている。でも試合を見てくれたみんなありがとう。母親がここで2試合見てくれたのでよかった。でも父親はプレイを見れないということで来てくれません(会場に笑い)。セレナと全米の決勝で対決するという夢、、かなってうれしいです。対戦してくれてありがとう。」

 優勝カップを渡されると横をキョロキョロとみてどうしたらいいかわからないという表情を見せる大阪。無事優勝カップを捧げて拍手を受ける。

 

 いつもと違い、最後まで緊張の面持ちのまま式典は終了しました。それは試合後のだれもが望んでいないブーイングがあったからでしょう。素直に喜べない。こんな形じゃないという表情は最後まで消えませんでした。グランドスラムの初優勝を完勝で飾ったもののこの初優勝は優勝というよりもややほろ苦いという印象を彼女に与えた感じがします。

 しかし、優勝をそのように感じる程の大きなポテンシャルは彼女にはあり今後10年以上は活躍が確実視される彼女は女子テニスを引っ張る形になるでしょう。

 そして印象に残ったのは第2セットの途中までの観客の反応です。互いに好プレーが続出し、決してストローカーの対決でないにもかかわらず、左右への揺さぶりを互いにライジングで返しあうなど、おおよそ女子の試合とはいいがたい強度を見せてくれた試合でした。それだけにセレナのコーチングの裁定は本当だったかどうかは検証が必要と言えるでしょう。

 

 明日は男子決勝のデルポトロ対ジョコビッチの対決があります。9月11日(月)5;00開始となります。

2018 全米オープン SF準決勝 錦織 対 ジョコビッチ 力を出し切れずに完敗

 9月8日(土)センターコート第2試合として、男子シングルス準決勝の錦織対ジョコビッチが行われます。

 第1試合のナダル対デルポトロが午前5;00より行われましたが、第2セット終了時点で、すでに痛めていたナダルの左足膝部分が悲鳴を上げ、無念のリタイアとなりました。決勝にはデルポトロが上がります。

 

 デルポトロ「もちろん最高の勝ち方ではない。ナダルは最高のファイター、最高の彼と戦いたかった。彼の回復を祈るよ。しかし、自分のプレイもよかった。タイブレークまで持っていかれたけど、そこをとれた。怪我もあったけど今日はバックハンドもよく振れていた。2009年はラファ、ロジャーに勝って優勝した。しかし、その時自分はまだ若かった。またその舞台に立てるのはとても幸せだ。また日曜日にお会いしましょう」

 

錦織対ジョコビッチは2勝14敗の13連敗中

 

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 錦織とジョコビッチは当初はそれほど相性が悪い相手ではありませんでした。

 2014年の全米オープン準決勝では全盛期のジョコビッチを破り決勝進出しました。それまでの対戦成績は2勝1敗でした。

 しかし、ここからのジョコビッチは錦織戦となると不調でも人が変わったかのようなテニスを披露し、圧勝、あるいは僅差にかかわらず、最後に勝利のポーズを上げるのはジョコビッチでした。

 プレイスタイルはこの4年間で変化があります。今は全てにおいて万全というわけではないですが、より粘り強くなりました。高水準の守備力を取り戻しつつあるジョコビッチは、ウインブルドンを制し、全米でもここまで来たことにより相当に自信も回復しています。

 錦織は自分自身が認めてるように、試合中に大きく調子が揺らぐようではジョコビッチにそこを突かれるというのを言っています。常に集中し、高いレベルを最初から最後まで貫く必要があるでしょう。

 しかし、それは暑さもある今大会では非常に困難です。チリッチ戦でも3セット目ですでに顔が真っ赤になっていましたが、その後天候が曇り空になったのもありフルセットをしっかり持たせることができました。

 ジョコビッチはよりラリーが長くなる相手であり、チリッチ戦よりも消耗することになるでしょう。しかし、好材料があるとすれば、この試合は現地時間7時ですが、大分日が傾き暑さが一段落した状態でスタートしそうなことです。しかし、湿気は相当ある模様です。

 

試合経過

 センターコート第2試合、セレモニー後の日本時間で8;00頃から開始予定です。

1stセット

 第1ゲーム、ジョコビッチのサービス。錦織が3連続でサーブリターンをネットに掛けるなどし、ジョコビッチが容易にキープする。

 第2ゲーム、錦織のサービス。予想以上に硬い立ち上がりの錦織。ラリーでジョコビッチに攻められたれ0-30。更に錦織のリターンがアウトになり、いきなりの3つのブレークポイントを握られる。しかしここからセンターへの良いサーブが2つ続き、さらにラリーでジョコビッチに競り勝ちデュースに。長いラリーから錦織がフォアで打ち上げ4度目のブレークポイントを握られる。ここをバックハンドクロスで華麗に決め初ウイナーで凌ぐ。2ndサーブを逆方向に狙われ5度目のブレークポイント。深いラリーの応酬で錦織のフォアクロスがラインを割り、ジョコビッチがブレーク先行する。

 第3ゲーム、錦織が良いラリーを見せるもジョコビッチは連続でポイントを取らせない。結局ここまでに5度ものサーブリターンをネットに掛けジョコビッチがキープする。

 ここまではジョコビッチのサーブにリターンが合わせられていません。まだ序盤ですが、ブレークを握られたこともあり動きが硬いです。

 第4ゲーム、このゲームはジョコビッチがリターンをネットに掛けるなどし、錦織がキープする。

 第5ゲーム、錦織がリターンエースを見せるも、直ぐにワイドサーブを決めるジョコビッチ。錦織はまだまだリターンがアジャストせず、ここまでで8本のネットエラーを記録するなどし、ジョコビッチがキープする。

 第6ゲーム、大事な場面でネットに掛けるシーンが目立つ錦織は、このゲームも、リターンを簡単にネットに掛けデュースに。ここはジョコビッチのバックハンドリターンがアウトになりキープする。

 第7ゲーム、ジョコビッチもまだまだというプレイぶりだが、それ以上に錦織の状態が上がってこない。そのためか観客もほとんど沸くことがなく淡々と進む。このゲームもジョコビッチのサーブをネットに掛けるなどし、ジョコビッチがラブゲームキープする。

 第8ゲーム、錦織はフォアのショットを連続でミスし0-30に、ここから互いにミスショットを繰り返しデュースに。ここでジョコビッチの打ち上げたリターンにスマッシュしようとした錦織が軸足をコートに引っ掛けヒヤッとする場面もキープする。

 第9ゲーム、ジョコビッチのサービンフォーザセット。ジョコビッチはこの場面で錦織を左右上下に振りポイントを重ね3つのセットポイント。最後はサービスエースで決めジョコビッチは1stセットを35分で取る。

 

 足首の状態が心配される錦織は、それ以上にジョコビッチのリターンに合わせられない。ジョコビッチもリターン精度が良くなものの、サーブがこれを助ける。サーブの差でジョコビッチが優位に立っています。とはいえ、互いに良いプレイはしておらず、観客も前試合が棄権したということもありかなり盛り上がりに欠ける展開となっています。

 

2ndセット

 第1ゲーム、錦織のサービス 。1stポイントは質の高いラリーを展開したもののジョコビッチが時間を作らせないリターンで錦織を追い詰める。更に2ポイント目も高質な深いラリーの応酬。しかしここもジョコビッチが内側からせめて0-30。ここで錦織がフォアストレートを撃ち抜き久しぶりのフォアでのポイントを奪う。更にはネットスレスレに落ちるクロスラリーで観客も大いに盛り上がる。

 さらに長いライジングの打ち合いでジョコビッチがストレートに打ち抜きブレークポイントを握られる。ここで錦織が逆を突くバックハンドストレートでデュース。深いリターンの応酬からジョコビッチが根負けしアドバンテージ。しかし、引き付けてのスマッシュで再びデュース。錦織は珍しくサーブの時に声を出すも深いリターンの打ち合いで根負けしジョコビッチに2度目のブレークポイント。これを凌ぐもダブルフォルトで3度目のブレークポイント。ここで力んだジョコビッチがバックアウトでこのゲーム10分を超える。錦織がリターンをネットに掛け4度目のブレークポイント。互いが前に出てのドロップも錦織が落ち着いて拾い粘る。センターのサーブでジョコビッチのオーバーリターンを誘いアドバンテージ。だがまたしてもリターンをネットに掛ける錦織。ジョコビッチのリターンがネットサイドに引っ掛かりアドバンテージ。最後はジョコビッチのバックハンドリターンがネットを越えず、13分にも及ぶこのゲームを価値あるキープで切り抜ける。

 第2ゲーム、ジョコビッチのサービス。先ほどのゲーム同様、互いに時間を与えない早いライジング気味のリターンの応酬。ジョコビッチがダブルフォルトを喫し30-30。錦織はドロップでジョコビッチを崩しデュースに。ここで2度目のダブルフォルトで錦織に初ブレークポイントが来る。ジョコビッチは湿気で手が滑ったとクレームをいいたげなジェスチャー。ここで深く守る錦織はしかしネットに掛けてしまう。ジョコビッチが高々と打ち上げたリターンをミスせずスマッシュで決め2度目のブレークポイントを掴む。所がここまで何度も見られたようにショットをネットに掛けてしまう。最後はワイドサーブをリターンできずジョコビッチも必死のキープを見せる。

 第3ゲーム、流れ的には良くない錦織。ジョコビッチに読まれたボレーもしっかり沈める。更には攻めのラリーでジョコビッチを崩し2連続フォアスマッシュを決めるなどしキープする。

 第4ゲーム、錦織のフォアリターンミスもあり、ジョコビッチが危なげなくラブゲームキープ。

 第5ゲーム、ワイドサーブで崩しながらも簡単にリターンをネットに掛け3つのブレークポイントを握られる。ここから攻めのプレイでジョコビッチのショットアウトを誘いデュースまで持ち込む。ここでフォアで打ち上げ4度目のブレークポイント。そしてフォアクロスが大きくサイドラインを割り、耐えきれない形でブレーク先行を許す。

 展開的に見ればここで勝負は決まった可能性はありますが、盛り返せるでしょうか。

 第6ゲーム、互いがネットスレスレのスライスを拾いまくりジョコビッチを錦織が崩す。しかしその次のポイントで錦織がまたもネットに掛けるなど、どうしても流れを持ってこれる展開に引き寄せることができない。最後もリターンを返しきれずジョコビッチがキープ。錦織はうずくまってしまう。

 第7ゲーム、このゲームでジョコビッチは失敗覚悟の思い切ったリターンを連発するもことごとく外れる。錦織もミスショットを連発するなど、クールダウンしたゲームに。最後はジョコビッチがバックハンドリターンをネットに掛けキープする。だがこれではなかなかリズムには乗れない展開。

 第8ゲーム、ジョコビッチが淡々とキープし会場が静まり返る。

 第9ゲーム、1stポイントは錦織がリターンをネットに掛ける。ジョコビッチもリターンを簡単にアウトになるなど、驚くほど会場は静まり返る。最後はジョコビッチのフォアクロスがサイドラインを割り、錦織がキープする。

 第10ゲーム、ジョコビッチのサービンフォーザセット。ここまで不安定なプレイだったジョコビッチだが、このゲームはいきなりのセンターへのサービスエース。しかしそれに観客は呼応しない。錦織の回り込んでのフォア逆クロスはサイドアウト。深いリターンの応酬でジョコビッチがネットに掛け錦織はガッツポーズを繰り返し鼓舞する。しかしジョコビッチが厳しく攻め立て2つのセットポイント。最後は錦織のバックハンドリターンが僅かにサイドアウトし、ジョコビッチが2セットアップになる。

 会場が余りにも静かなのに対してジョコビッチが会場の客を大いに煽る。

 このジョコビッチの行動を見るように、2ndセットの第1、第2ゲームは質の高い両者のプレイに大いに盛り上がったものの、それ以降はミスの多い低調な出来となっており、観客が徐々にトーンダウンしていってしまいました。

 流れ的に、意識的にもジョコビッチが落ちてくる以外にもう打開策はないでしょう。錦織の底力に掛けるしかない展開と言ってもよいです。ジョコビッチの方も自分自身のプレイに全く満足しておらず不満顔の様子です。

 

3rdセット

 第1ゲーム、錦織のサービス。1stポイントでジョコビッチがアウトショットを打つと大きく声を上げ鼓舞する錦織。更にアウトショットをジョコビッチが繰り出すと観客が少し沸く。結局ラブゲームキープで拍手が起こる。

 錦織のポイントに沸く会場を見ても会場には錦織とジョコビッチの実力差が顕著に表れています。

 第2ゲーム、ジョコビッチのサービス。ジョコビッチは上着を変えてこのセットに挑む。ジョコビッチのショットがアウトになり30-30になり観客が沸くと明らかにいら立つジョコビッチ。ワイドサーブを読み回り込んだフォアリターンがネットにかかり悔しさでしゃがみ込む錦織。更にはバックハンドリターンが大きくサイドネットを割り打開策が見えないキープをされる。

 第3ゲーム、このゲーム、最初のポイントはすでに30回を上回るネットに掛けるエラーリターンでジョコビッチが先行。更にはリターンがサイドを割り0-30。更には生命線のバックハンドリターンをもネットに掛け2つのブレークポイント。最後もバックハンドリターンを力無くネットに掛け、ジョコビッチが何もせずいとも簡単に先行ブレークを許す。

 第4ゲーム、ジョコビッチがギアを上げるわけでもなくラブゲームキープする。

 第5ゲーム、会場の空気がとてつもなく重い。互いのミスでのみのポイントに終始する。ジョコビッチの浮いたボールをスマッシュする錦織。しかりラリーをネットに掛けデュースに。ネットに掛けるのを危惧すると大きく打ち上げるなどし、錦織は天を見上げてしまう。更にはミスショットでジョコビッチにブレークポイント。錦織が華麗にバックハンドリターンを決めるとジョコビッチが大いに怒る。これにジョコビッチ夫人が笑顔を見せる場面が。最後は執拗なバックハンド攻めで久々に錦織らしいポイントを見せたキープを果たす。

 第6ゲーム、ジョコビッチがチャレンジを成功させるなど気を緩めずキープする。

 第7ゲーム、錦織がジョコビッチのリターンに追いつけなくなるなど精神的にも相当に追い込まれ2つのブレークポイントを握られる。最後は錦織のショットがアウトになりジョコビッチが2ブレークアップとなる。

 第8ゲーム、ジョコビッチのサービンフォーザマッチ。錦織は前に出るもボレーがネットを超えない。更には動けなくなった錦織にジョコビッチの左右振りが襲いかかる。ジョコビッチがなおも前に出て錦織をベースラインに釘付けにする左右振りでマッチポイントを掴む。ここは必死のラリーでデュースに。錦織のサーブリターンはサイドアウトになり2度目のマッチポイント。そして最後は大外からのバックハンドウイナーを華麗に決めたジョコビッチが大きなガッツポーズとともに試合を締めくくります。

 

 錦織はガックリした表情で引き上げていきます。

 

スタッツ

 

 

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 非常に残念な結果となっていまったこの試合。サーブスタッツはそれほど悪いものではありませんでしたが、今日はサーブ以前にストロークでミスが余りにも多く最後まで修正が効きませんでした。1stセットの終盤にコートに足を取られたのも原因かもしれませんが、それ以前にネットに掛けるショットが35回にも及びました。これでは勝てません。

 ジョコビッチは錦織のフォアにボールを集め、センター付近でのラリーを多用することで錦織のミスを誘発していました。完全に作戦を練られた末の敗戦と言えるでしょう。最後はバックハンドの精度も悪くなってしまい打開策は完全にふさがってしまいました。

 万全のジョコビッチだったわけではないにも関わらず完敗したという所に、多くの視聴者に落胆を与えたと感じられます。ジョコビッチの調子はミルマン戦を見てもわかる通り自分のプレイに満足がいかず苛立ちを募らせるシーンがよくみられましたし、錦織戦でももっと簡単にブレークできるところをミスを連発し、17度のブレークのうち13度も逃していた部分にそれは表れています。

 

 錦織選手は全米ベスト4はそれだけでも成功の部類で、チリッチ戦は素晴らしい試合でしたが、ジョコビッチ戦の敗戦により寧ろ課題が大きく出た大会となってしまいました。

 年内のトップ10復活はほぼ難しくなりましたが、今回の大会でランキングが12位まで浮上します。今後は楽天やパリなどで元気な姿を見せてくれることでしょう。

 

 全米オープンのF決勝はデルポトロ対ジョコビッチとの対戦となりました。デルポトロを相手に今日の出来では厳しいジョコビッチはどのようにこの試合に挑むかに注目します。

 

 

 

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